2016年 まとめ
- RESEARCH&DESIGN TOKYO 小山隆
- 2016年12月28日
- 読了時間: 3分
今年の締めとして、 私が個人に印象深かった出来事を3つのキーワードでまとめ、私見を交えてメモしておきます。
Memo: 1【データ駆動社会】 2【個客起点】 3【シェアリングエコノミー】 -----------------------------------------------------
1、【データ駆動社会(データドリブン)】のインパクト
Iot、ビッグデータ、AIによる解析が加速する社会の下、 「全ての商品・サービスはデータ解析を経たうえでデザイナーに託される様になる」が課題意識です。
もしデザインにもデータ分析の手法を取り入れる必要に迫られたなら、その時は「プロダクトデザイナー」の定義が変わる、または新しいスキルセット(技能の組合わせ)を備えた新しい職業が生れるはずだと考えています。
「創造力が勝負」は絶対正しいと信じていますが、その前に越えなければならない壁があるとも思います。
それは”データ解析の技術や知識を理解することが先”であるという点。 「人間の創造力」が勝負となるのはデータ解析手法が普及した後のこと。
新しいスキルセット(技能の組合わせ)の内訳はその辺りにあると考えています。
2、【個客起点(カスタマーファースト)】
社会インフラが変化すると、その上で生活する私たちにも影響があるはずだと考えます。 「個客起点」は変容する生活者にあわせて企業が自己変化するための手段なのかもしれません。
会員の購買行動などデータ解析によるCRMはアマゾンやCCCで体験できますよね。 これは今の個客起点。そして未来の個客起点はもっとえげつない。
Iotのもと、キュレーションやSNSなどの囲い込み技術が革新を続けると市場は寡占化すると想像します。
受け手みずからの意思(行動)によって絞られた情報のみが届き、その他の情報からは縁遠くなる世界。 そもそも自分が興味のあること以外はほとんど知らない(知らされない) という状態は不健全で、 いつか体を壊すのではないかと心配になります。
そして一旦囲い込みが完了するとその体系の中に参入することは難しく、その他全ての商品・サービスはお金を支払ってその中で商売させてもらうか、自力で体系を創るしかない。 でも新たに体系を創るにはコストがかかる。 「さてあなたはどうしますか?」と問われているような気がしています。
3、【シェアリングエコノミー(交換・共有により成り立つ経済)】
市場規模は今後約10年で34兆円(全世界での試算)にまで成長。その速度は2013年を1とすると12年で22倍になると聞きました。
シェアリングエコノミーの雄 UBER成功の鍵と言われる幾つかの要因の中で、私の印象に残っているのは以下の4つ。
1.「サービスの提供者と利用者がお互いにレビューしあう」という評価制度と 2.オンライン決済の仕組みが結びつき、 3.信用・安心の壁を取り去った(低く感じさせた)、 そして何より
4.圧倒的に安く提供される理由(使っていない空間・時間・モノ・技術の利用)。
これら要因は社会の総意だったのではないかとさえ思います。
今後シャアリングエコノミー拡大によって、様々な概念が変わる気がします。 その中でも私は「時間の概念が変わる」ことによる商品・サービスの変化を眺めてゆこうと思います。
2016.12.28記 koyama
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